2005年12月17日

あらしのよるに 1

はい、今晩はケイです。
タイトルにも書いてますけど、今回は「あらしのよるに」について書いてます。
ネタバレはありませんから、安心してください。

ちなみに俺は映画を観ていません。
今のところ観るつもりもありません。
一緒に観に行く人がいないから

勘違いしないでくださいね、見てもいないけれどレビューするぜ!というスタイルで書きたいわけじゃありません。
俺にはそんな笑いの才能ありません。
ちゃんと原作を読みました。

最初はですね。
あの有名なセリフ
友達なのにおいしそう
というセリフが俺のアンテナに引っかかったんです。

「バレてない?!」様でも書かれてますけど、一言で言うならエロいですよね。
「友達としてしか見ていなかったけど、二人きりで飲んでいたら唇が妙に艶かしい」なんていうエピソードがすぐに頭に浮かびます。

でも、どうやら公式サイトとかを見てみると違うようです。
狼の「ガブ」とヤギの「メイ」の友情を描いたストーリーのようです。
この時点で
「あー、種族を超えた友情ってやつね」
と、だいたいわかった気になって途端に見る気がしなくなったわけです(正直すぎるよ!)。

そして、テレビでCMなど流れていましたが、もう俺の中で興味の炎は消えていましたから、スルーしてたんですよ。
メイの声をされている声優さんが、成宮寛貴さんという男性がされていたので、
「同性どうしの種族を超えた友情、ひいてはプラトニックな純粋な愛とかいうのをテーマにしたいんだろう」
と、これまた勝手に決め付けていたんですよ(よくない事ですね・・・・)

これから映画が公開されたら恐らく
「最高!」
「泣いちゃいました!」
「ちょーーーーーーーー面白い!」
「ゆーじょー!」←3人組の客がセットで
などの「本当に宣伝するつもりなら逆効果じゃないか?」というコメントがテレビで流されまくることでしょう。
そう思って、「あらしのよるに」ついては完全に情報をシャットアウトしてたんです。

しかし、この前ですね。
本屋で絵本を見つけまして。
そして、完全に消えたと思っていた興味の炎は、ほんの少しだけ燻っていたらしく
「絵本ならすぐに立ち読みできるから、読んでみようか」
と、思ったわけです。

しかし、読み進めてみると望外に面白い。
「大人のための絵本」だのは、ほとんどの作品が陳腐で大嫌いだし(面白いのもありますが)、たんに幼児向けの作品を読んでも共感は無理だろうと、本当に冷かす程度のつもりでページを捲り始めたのに、これが面白い。
間違いなくそれは作者の「きむらゆういち」氏の実力なんでしょう。
読んでいるうちにある予感を持ちました。

この人、小説を書いても絶対面白いぞ

とにかく、文章が上手い。
独りよがりでも、語彙自慢でも、語るだけでもなく、伝えるという点が本当に素晴らしい。
テーマの文章化。
当たり前であり、それができないなら語る理由がなくなるわけですが、できない人が多いです。
プロでもいるのですから、こんな無料のブログだと酷いことになります。
特に「偽」とかついてると酷いもんです(精進します・・・・・・)

「あらしのよるに」のテーマは、幼児向けにしては少し深読みのできる高度なストーリーです。
「本能」である食欲よりも、「理性」である友情を選ぶという苦悩を描いものですから。
大人はそこから食欲を性欲に変換したり、人によっては「求めあうだけではなく、傷つきあいながらもお互い心地よい距離を模索しようとしている」ヤマアラシのジレンマのように哲学を感じるかもしれません。
完全に蛇足ですが「あらしのよるに」の「あらし」はヤマアラシとのダブルミーニングかなと深読みしてしまった程です(さすがにそれはないですね)

話を戻しましょう。
かように「あらしのよるに」は、少し幼児向けとはいえないテーマも扱っているのです。
単に「友達はかけがえの無いものだよ」という教えだけではないという。

それが、伝わるんですよ。
きむらゆういち氏の文章からは。
幼児に伝わる言葉でこのテーマを語ってるんです。
これは凄いことです。

よく、「わざと難解な言い回しをして人を煙に巻く」人がいます。
カタカナ語を多用したり、哲学用語や心理学用語などの一般的に理解されているとは言いがたい単語を多用するのが特徴ですね。
こういう人は一見賢そうに見えるかもしれませんが、よく単語の意味を理解して何を言いたいのか冷静に考えてみると、驚くほど内容がないことがわかります。(もちろん本物はいますよ)

わかりやすく例をあげるなら

夜道を彼女と二人で歩いていて、空を見上げると満月。
そこで彼女が一言
「満月って吸い込まれそうだよね。なんだか空にあるのに吸い込まれそう」
なんてセリフを言ったとします。
ここで彼女は「共感」したいのであって、間違っても
「月の引力が人間に作用するほど強いわけないだろ」
というセリフを聞きたいわけじゃありません。
たまに平気でこういうセリフを言う男がいますけど、絶望的に空気の読めない人と言わざるをえません。

そして、更に最悪な場合
「君が言っているのは、ペシミストが陥りやすい愧死とも言い換える事ができる深い哀しみを表現するメタファーなんだよ。少しペダンチックに聞こえるかもしれないが、僕はそれに対してウンタラカンタラ・・・・・・」
と、語りだすことです。

上記のセリフは難解な言い回しで、いきなりこんなことを言われても、混乱してしまいます。
しかし、単語の意味を知って、冷静に文章化して捉える事ができるなら、彼の言っていることは

「それは、泣き虫な人が特に理由もなく死にたいほど悲しくなってしまうという事なんじゃないかなぁ。少し知識自慢になってしまうけど、僕はそれに対してウンタラカンタラ・・・」

と、なります。
ちょっと伝えやすくするために本来の意味とは違うものもありますが、彼の言いたい事はこれだけです。
なかみゼロ
こんなん伝えようと思えば5秒で伝わります。
それを何分もかけて、しかもコミュニケーションの基本である「伝える」という事ができていない、はっきり言って頭の悪い喋り方をしているのですから、終わってます。
逆パーフェクト

まぁ、こういう事がなぜ起こるかというと、「頭が良い人だと思われたい」という知的という本質からもっともかけ離れた動機なわけで、正直泣けてくるほど恥ずかしいことなんですけど、問題はその時に
「あなたが何を言っているのか理解できません」
と、言えない人や状況が多いことでしょうね。
一回ツッコミを入れるだけで悲しいほどボロが見えますよ。

だからって試しに俺に突っ込むのはやめて欲しいですけどね。
カンタンにボロが出るから

本当に頭が良いのなら、何の予備知識もなく理解能力も高くない人間に(幼児とか)サルトルでもニーチェでもキルケゴールでもカミュでもいいですから理解させてみせて欲しいです。
説明を言うだけで良いなら誰でもできますから。
相手に合わせられる事が、その人の語彙や表現力、文章力の大きさだと思います。

少し長く語りすぎてしまいましたけど、知的な人の話ほど相手に伝わりやすいし、無駄に難解になったり長くなったりしないということです。
このブログが長かったり、伝わりにくかったりしたら

つまり、そういうことです(あああああああ・・・・・・・・)

とにかく、作者のきむらゆういち氏の文章力は、とても素晴らしいという事を言いたかったんです(ほら、五秒で伝わるでしょ? 苦笑)

ちょっと自分で自分を傷つける一人SMみたいな流れになってしまったので、戻します。



本屋で絵本を手にとり、立ち読みを始めました。
その文章力に驚きながらも、かなり早く読んだと思います。
もともと薄い絵本ですし、すぐに5分の4ほど読みました。
しかし、どうにもおかしい。

「これ、どう考えても終わらないぞ???」

そう、もうほとんどページは残っていないのに、二匹はお互いの正体にすら気付いてない。
っていうか、まだ山小屋の中です。

そして、思ったとおり、続きました。
これから何冊出るかはわかりませんが、以下続刊ってやつでした。

超消化不良

こんなんで納得できるはずがありません。
そこで小学館から出ているハードカバーを買っちゃいました。
定価で1400円。
決して安くありません。
アホみたいに本を買いあさる時もありますが、よっぽど好きな作者か興味を惹かれた本で無い限り、ハードカバーは買いません。
ちょっと迷いましたけど、結局買っちゃいました。
理由は絵本を読んで感じた自分の直感を信じたのと、ハードカバーのプロローグと第一章を読んで「やはり」と確信したからです。

そして家に帰り、冬の夜長ということもあり、風呂に入りながら読んだんです。




はい、やっと前置きが終わりました(苦笑)

ほんと、五秒で伝わる文章をこれだけ書いてしまうあたり、阿呆の証明ですね。
猛省します。
もっと素敵な文章を書きたいです。

さて、長くなったので次回に回します。
今回のタイトルと内容はまったく関係ありませんね。
序章だからしょうがないですけど。








それにしても
ハードカバーの表紙が恐すぎるのは、仕様ですか?

中には藁が蓄えられていて、アメリカンなバカップルがイチャイチャしてて、ジェイソンに惨殺されるとしか思えない小屋が描かれています。
バックに湖があれば完璧。





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posted by 偽者 ケイ at 23:12| Comment(5) | TrackBack(4) | 妄言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
腐女子的ブログにトラックバックありがとうございました(^^;)
「あらしのよるに」の原作買われたのですね。
私は映画CMから興味を持って、原作を立ち読みし、のち映画、のパターンでした。
その上映画パンフに公式本まで買ってしまったり…(苦笑)
そういえば、小説版刊行されるんですよね?
確か…。
欲しいなあ、と考え中だったり☆
ではではm(__)m
Posted by 梨都 at 2005年12月17日 23:37
TB有難う御座いました★
私はまだ絵本の方は読んで居ないのですが、映画は声など気にならない程素敵なモノでしたよ!
(こぶ平のみ何だか本人しか目に浮かびませんでしたが…中村獅堂さんが本当、上手でした)
この記事を読んで本気で絵本が読みたくなってきました。
それ以上に文章について今一度考えさせられました。自分のブログの文章力も精進しようと思いました!
Posted by イヌキ at 2005年12月17日 23:40
皆さんコメント本当にありがとうございます。

>梨都さん
小説版しか読んでいませんが、面白かったですよ♪(こんな記事書いておいてアレですけどw)
文章力や心理描写が素晴らしく、一気に読んでしまいました。お勧めです。
またもえろぐ様に寄らせて頂きますね。

>イヌキさん
映画の声は素晴らしかったですか。
どうも映画を最初に見たほうが良いみたいですね。
周りのから言われて思いました(苦笑)
「どうしてオイラ、狼なんかに〜」っていうセリフ上手いなぁって思ってたんですよ。
機会があったら映画も観てみます。
Posted by ケイ at 2005年12月19日 03:05
つたない腐女子ブログにTBありがとうございました(汗)
「あらしのよるに」絵本は高校のときの現代文の先生に薦められ、読みました。その時から「コレはおもしろい!」と思っていて、N○K教育で中村獅童さんが朗読しているのを観て驚きました!その後まさか映画化されるなんて…!!
ということで映画を急いで観にいったわけです。映画はなかなか絵本の内容をうまくまとめてたように思います!最後はチョット駆け足でしたが(汗)
確かにこの絵本は子ども向けの絵本としては少々ダークで、いろいろ考えさせられる内容ではありますね。
ブログ興味深く読ませていただきました!おもしろくて、なんだか勉強にもなりますね☆またおじゃましようと思います!
駄文長々失礼しました!!
Posted by よしん at 2005年12月20日 22:02
>よしんさん
コメントありがとうございます!
どうも映画は、中村さんの演技(声優)が光っているようですね。
個人的には芸能人の声優起用ってどうかと思うんですけど(ジブリが原因で)、上手い人は上手いようです。
このブログが勉強になるかどうかはわかりませんが、っていうかならないと思いますがwどうぞまたいらしてください。
俺もエスプリ様にお邪魔させて頂きます。
それでは
Posted by ケイ at 2005年12月21日 00:57
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